この記事は、産後の腱鞘炎にお悩みの女性が赤ちゃんを抱っこ出来るようになるまでの治療経過を詳し記しています。 実際の患者さんの感想をご紹介しながら、「腱鞘炎を治すための重要な治療ポイント」についても詳しく解説していきます。 今現在、手首の痛みで日常生活に支障が出ている方にとって希望となる内容だと思いますので、ぜひ最後までご覧になってください。 手首の痛みで子供を抱っこできなくなる 「患者」 女性、20代、主婦 「症状」 両手首の痛み、腱鞘炎 「来院経緯」 患者は、出産後まもなく右手首に痛みを感じるようになる。右手を庇って左手をよく使うようになり、次第に左手首にも痛みを感じるようになった。 整形外科を受診したところ『両手の腱鞘炎』と診断を受ける。患者は授乳中のため、痛み止めの薬を服用できず、湿布を処方してもらう。その後、2カ月間処方された湿布を貼り続けたが、痛みは改善しなかった。 次に、病院でステロイド注射を行ったが、その場で痛みは緩和されたものの、翌日には再発した。 その後も治療を続けたが、痛みはどんどん悪化していく。 発症した当初は、親指を曲げたり、手首を使う時にのみ痛みがあったが、手首を触るだけでも激痛が走るようになり、安静時にも疼くような痛みを感じるようになる。そして、手首の痛みのせいで、赤ちゃんの抱っこ出来なくなってしまった。ネットで治療院を調べたところ当院のことを知り、藁にもすがる思いで来院する。 腱鞘炎の治療経過 1診目 患者が痛みを訴えている箇所は両手首の側面である。(下写真参考) 患者の体に下記の異常を確認する。 手首の腫脹・熱感手関節の可動域低下肩関節~手関節のアライメント異常自律神経の異常内臓疲労 治療:曲池・合谷に接触鍼、百会に置鍼内臓調整、ホルモンバランス調整、自律神経調整、前腕・上腕アライメント調整 2診目 患者から「動かした時の痛みは少しマシになったが、まだやっぱり痛い。まだ疼くような痛みがある」との報告。 治療:曲池・合谷に接触鍼、百会に置鍼内臓調整、ホルモンバランス調整、自律神経調整、前腕・上腕アライメント調整 4診目 患者から「手首を触った時の痛みが、そこまで感じなくなってきた。ただ重い物を持つ時はまだ痛む」との報告。 手首の腫脹が治療当初に比べ、かなり軽減している。 治療:曲池・合谷に接触鍼、百会に置鍼内臓調整、ホルモンバランス調整、自律神経調整、前腕・上腕アライメント調整 6診目 患者から「安静時の疼くような痛みがなくなった。動かした時の痛みも半分くらいになっている」との報告。 日常生活で痛みはまだあるものの、徐々に腕を使えるようになってきた。 手首の腫脹・熱感手関節の可動域低下 上記の異常は消失。 治療:曲池・合谷に接触鍼、百会に置鍼内臓調整、ホルモンバランス調整、自律神経調整、前腕・上腕アライメント調整 8診目 患者から「最近は少しであれば赤ちゃんを抱っこしても大丈夫なようになってきた。」との報告。 肩関節~手関節のアライメント異常内臓疲労 上記の異常は消失。 治療:曲池・合谷に接触鍼、百会に置鍼内臓調整、ホルモンバランス調整、自律神経調整、前腕・上腕アライメント調整 10診目 患者から「日常生活で痛みを感じなくなった。少々腕を使いすぎても大丈夫。」との報告を受ける。 治療:曲池・合谷に接触鍼、百会に置鍼し、身体全体のエネルギー調整腹膜調整、股関節調整、足関節アライメント調整、アキレス腱弛緩調整 次回から3週間に1度のメンテナンス期に移行する旨を伝え、治療終了。 両手首の腱鞘炎に悩んでいた女性の感想 両手の腱鞘炎 患部を触ることで、痛みが強くなったり、動かしにくくなったりしたら、どうしようと思った。でも、インターネットや直接問い合わせなどをして解消した。 患部と関係のない所を触られて少しビックリ!でも今思えば必要な治療だったんだなと思いました。針治療も痛みがなく、他の治療も痛くなかったので安心しました。 最初は治るのかなと疑問をもって治療を受けていたけど、だんだん痛みがとれていくと治療を受けて本当に良かったと思ってきました。ちょっと変だなと思ったら、ひどくならないうちに一度治療を受けてみて下さい!良かったなと思うかもしれません。 【考察】 慢性化した腱鞘炎は手首を治療しても治らない。 今回の患者さんは、3か月以上も両手首の痛みに悩まされていました。最終的には、お子さんを抱っこ出来なくなる程に悪化してしまったのです。 この間、痛みをただ放置していたわけでなく、湿布やアイシング、そしてステロイド注射も何度も行ったようです。ですが、痛みは改善せず、悪化していったそうです。 一般的な病院や治療院では、腱鞘炎を前にした時、「痛みの出ている部分」を治療しようとします。今回の患者さんの場合もそれは同じで、手首周囲にアプローチした治療を3か月続けました。 初期の場合、これらの治療で良くなる事はあります。ですが、慢性化した腱鞘炎では、手首周囲をいくら治療しても改善しない状態にあるのです。それは、すでに手首だけの問題ではなくなっているからです。 今回の患者さんの場合も、当院に来院された時には、手首以外にも体に多くの異常を抱えていました。そして、これがある事によって、痛みがなかなか改善しない状態にあったのです。 次の章では、その異常について解説していきます。 腱鞘炎を悪化させていた2つの原因とは まず結論からお伝えすると、腱鞘炎を悪化させていた原因は2つありました。それは以下の原因です。 ホルモンバランスの異常肩関節~手関節のアライメント異常 まず、Y.Fさんように出産後の女性、そして更年期の女性は腕を酷使しなくても腱鞘炎を引き起こす事がよくあります。 その原因は、ホルモンバランスの乱れです。女性ホルモンの分泌の減少や乱れによって、体に様々な変化が見られます。そしてその変化のひとつに、「腱や関節の脆弱性」があるのです。つまり、腱や関節が弱くなる(もろくなる)という事です。 腱や関節が弱っている状態ということは、普通に腕を使っていても、腕に必要以上の負担がかかるということです。これにより、痛み・炎症を引き起こしてしまうというわけです。 さらに、もう一つの原因。肩関節~手関節のアライメント異常(捻じれ)がある事で、より腕に負担がかかっていたのです。例えば、物を持ち上げる際には腕を引き、肘を曲げ、手首を曲げます。関節の滑らかな動きがある事で、物をスムーズに持ち上げる事が出来るわけです。 しかし、肩関節~手関節にアライメント異常があると、それぞれの関節が正常な動きが出来なくなってしまいます。この状態で腕を使う事で、痛み・炎症を引き起こしてしまうのです。 「腱と関節が弱い状態で、尚且つ腕の関節がスムーズに動かない…」これでは手首に痛みが出るのは当然ですよね。 Y・Fさんの治療では、まずホルモンバランスを整え、腱や関節の脆弱性を解消する事から始まりました。それに加えて、腕のそれぞれの関節を丁寧に整えていき、手首にかかる負担を軽減させたのです。 これにより、3か月治らない腱鞘炎が、10回の治療で改善したというわけです。 腱鞘炎に悩んでいる方へメッセージ 当院の問診表には「お困りの症状から解放されたら何がしたいですか?」という質問があります。 今回の患者さんは、その欄に「子供の抱っこがしたい」と書かれていました。た自分の赤ちゃんを抱っこできないなんて、そんなこと悲しすぎますよね。ですが、同様のお悩みを抱えている方は沢山いらっしゃいます。 出産後に手首の腱鞘炎になってしまうお母さん方は多く、それによって赤ちゃんのお世話や日常生活に支障が出る事はよくある話なのです。 そしていざ手首の治療となると、何をしてもなかなか改善しない場合がほとんどです。それは前述したように、ホルモンバランスの乱れが原因のため、いくら手首の治療をしても治らないのです。 ですが、安心してくださいね!腱鞘炎は適切な治療さえすれば、早期の改善が見込める疾患です。 Y.Fさんの感想に『患部とまったく関係ないところを触ります』と も書いていましたが、 まさにそれが治療の肝です。根本原因さえ解決すれば、痛みは取れるものです。 このページを読んでいるあなたが、「腱鞘炎」に悩んでいるなら、その時は当院を頼ってきてください。きっとあなたのお役にたてるはずです。 期待してご来院くださいね^^
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